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140働き盛りに増加!若年性認知症「ピック病」
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■働き盛りに増加!若年性認知症「ピック病」
★40代から50代に増えている若年性認知症のひとつに「ピック病」がある。聞き
 なれない病名だが、アルツハイマー病のように記憶に障害が出るのではない。
 初期には怒りっぽくなるなど性格・人格が変わってしまう病気だ。異常行動
 と映る振る舞いをするので周囲に誤解を受け、社会生活を送ることが困難に
 なってしまう。働き盛りを襲うピック病のおもな症状などを紹介しよう。

 ピック病とは脳の前頭葉が萎縮する病気で、平均発症年齢は49歳ぐらいだ。
残念ながら根本的な治療法はまだ見つかってはいない。最初は言葉使いが荒っ
ぽくなったり、身勝手な行動をとったりと、病気とは気がつきにくい症状が現
れてゆっくりと進行していく。

 やがて粗暴な言動を繰り返す、気に入らないことがあると攻撃的になる、意
欲が目に見えて低下し欠勤が増えたり家事ができなくなる、身なりに無関心で
下着を替えないなど不衛生になる、毎日決まった時間・決まったコースの散歩
やジョギングなどに固執する、などという異変が目立ちはじめる。

 認知症とはいえある段階までは知的な機能低下がないために、病気だと気が
付かないまま家族が困惑する事態に陥る。病気がもっと進行すると、言語障害
が現れたり同じ言葉を何度も繰り返す、話し相手の言葉をおうむ返しするよう
になる。そして、言葉も記憶も失われてしまう。

 医療機関に連れて行っても統合失調症やうつ病と診断されてしまうこともあ
るようだが、ピック病と診断がついても抗うつ薬や向精神薬などの投薬が中心
となる。また、体力のある年代で発症する病気のため、生活能力を低下させな
いケアが重要だろう。

 いまのところピック病は根治しない病気だが、一般的な症状を知っていれば
家族の異変に気が付きやすくなるだろう。一家の大黒柱を襲うこんな病気もあ
るということを覚えておいていただきたい。