●豆知識<健康>
コショウは「薬になるスパイス
・錦繍(きんしゅう)を愉しむ
・栗を食べるなら渋皮まで食べよう!
・おいしい米はコシヒカリのみに
あらず
・体温を上げて免疫力アップ
・紫イモのアントシアニンで
健康増進
・西洋梨で秋の味を先取り
・木綿と絹はどう違う?−豆腐のはなし
・スイカは成人病予防に効果あり
・紫外線は白内障の原因になる
・泳ぐ二枚貝ホタテ
≪戻る 次へ≫

|
|
■西洋梨で秋の味を先取り
まだまだ暑い日が続くが、処暑も過ぎて暦の上ではもうとっくに秋。もうじ
き稔りの季節を迎え、西洋梨がお目見えする。セザンヌの静物画に描かれてい
る西洋梨を見て「ヒョウタンみたいなものは何だろう」と思った昭和30年代と
は違い、いまではスーパーやくだもの店にも並ぶようになった。
しかし、購入してから室温での追熟が必要なために食べ頃の見極
めが難しく、独特の芳香と甘みが消費者に伝わりにくいという弱点
を持っている。
そのためか明治時代に日本に入ってきて100年も経つのに、秋の味覚
としては脇役の感がぬぐえない。
しかし、日本梨の爽やかな味覚とは違う、滑らかな舌触りと濃厚な甘みは他
の果物にはない「蠱惑(コワク)的」とでも言えそうな味わいがある。加えて、
果樹なのに樹上では完熟しないというかなりの変わり種でもある。木からもい
で初めて成熟を始めるため、まだ青いうちに収穫して熟すのを待たなければな
らない。
品種によっては8月下旬ごろから収穫が始まるが、2週間ほど低温貯蔵庫で
予冷したのち市場に出回ることになる。そして消費者の手に渡ってからの追熟
期間を経てやっと舌を楽しませるというわけだ。いうまでもなく、追熟がうま
くいった西洋梨は「バターペアー(butter pear)」という別名通り、舌の上で
まったりととろける。
最近は産地で追熟を完了させて出荷されるものも出てきており、以前に比較
すると西洋梨本来の味でほかの果物と勝負できるようになった。そのため個性
的な味で消費者を惹きつけてきており、ラ・フランスやル・レクチェといった
品種は贈答品としても人気が出ている。
色鮮やかな秋の果物に混じるとその外見はやや魅力に欠けるが(ちなみに、
日本一の産地・山形では「みだぐなす」<見てくれが良くないもの>と呼ばれ
ている)、おいしさでは負けていない。カリウムや食物繊維が豊富で、健康機
能性が高い西洋梨で一足先に秋を味わってみては。
西洋梨品種画像データベース
http://www.agr.niigata-u.ac.jp/~naser/kiyokiyo/grad/seiyo/seiyoind.html
|