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ワサビ・カラシの例でも

合成され純粋な化学物質となると、猛烈な活性酸素を発生させる性質
   がある。


 同じような例を私たちの研究室でこれまでに多く見つけています。例えば、ワサビやカラシのツンとくる成分は、イソチオシアン酸アリルですが、
この物質が合成され純粋な化学物質となると、猛烈な活性酸素を発生させる性質があることを私たちの研究で発見しました。ところがこの合成されたイソチオシアン酸アリルが食品添加物として、チュ−ブ入りの加工ワサビ、加工カラシに使用されているのです。実際、この加工品をそのまま試験すると、やはり活性酸素を強烈に発生させ、しかも遺伝子を傷つけることを明らかにしたのです。

 しかし、天然ワサビ、カラシでは全くこのようなことはなく、むしろ活性酸素を消す働きすら認められたのです。つまり天然は善玉なのに合成されると悪玉に返信するのです。これらの研究結果は、権威ある国際誌「Journ of Environmental」(1998)に掲載されました。
 20世紀の後半は、天然の植物などから有効成分をとりだし、化学構造を決定し、人工的に合成して、医薬品などに利用してきました。こうすると安価に使用できるので、確かに私たちに役立ってきました。
ただし、これらの薬品製造によって莫大な利潤を得たことも事実です。しかし、天然と合成の間には、善玉と悪玉の差すらあるのです。
 
驚くべきアセロラ
 
 天然のビタミンCがいかにすばらしい働きをするかがわかりました。そしてそれは決して錠剤や添加物で摂るのではなく、果実や野菜から摂るべきであるかがわかりました。それではどのような食品にビタミンCが多く含まれているのでしょう。次にビタミンCの多い食品ベスト10を挙げましょう。

 

食品100グラム当たりのビタミンC(単位:ミリグラム)
 

1 アセロラ       1400

2 グレ−プフル−ツ 230

3 パセリ        200

4 ブロッコリ      160

5 ユズ         150   
 
6 トウガラシ        85

7 ピ−マン        80

8 コマツ菜        75

9 ほうれん草      65

10レモン           45 
 
 ここでご覧のように圧倒的に多いのがアセロラです。アセロラとは西インド諸島などが原産の食物ですが現在、ハワイ、フィリピンなどで栽培されています。赤い実をつけますが、アセロラにはレモンの30倍程度のビタミンCが含まれているのです。

 最近、日本でもアセロラが栽培され、ジュ−スなどが開発されつつあるということです。手軽にアセロラを摂ることができればいいですね。

同志社大学教授 医学博士 西岡一先生の著書「あなたのビタミンハンドブック」(クレス社)、「生活毒本」(講談社)などから、先生の了解を得て転載させていただきました。